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片方の目の視線が対象物からずれる斜視は、国民の約2%にみられる病気だ。見え方に問題が出たり、外見上の悩みとなったりする。別の病気が原因となって発症する場合もあるため、診療を受けることが重要だ。斜視は、どちらかの目の位置がずれ、両目の視線が異なる方向に向いている状態。ずれ方によって内斜視、外斜視、上斜視、下斜視などに分類される。
◇斜視の症状と患者数
物が二重に見える複視が出たり、立体的に見えなかったりすることがある。ほかの症状としては視力低下や眼精疲労、頭痛、肩こり、吐き気などがある。眼球の位置のずれを外見上のコンプレックスと感じる人もいる。国内の患者数は約270万人に上る。
2009~20年の診療報酬明細書(レセプト)などの情報を分析した研究では、日本人の約2%が斜視であることがわかった。内訳は外斜視が67%、内斜視が26%などだった。世代別の有病率は10~14歳が7.7%で最高。20歳代までは高い水準だったが、30~50歳代は全体平均より低く、60歳代以上で高まる傾向がみられた。
◇子どもと大人の斜視、それぞれの注意点
子どもがかかると、立体感や奥行きを感じ取る機能の発達が妨げられる恐れがあり、幼いうちに早期発見・早期対応が肝要だ。一方、大人に突然複視の症状が出た時は注意が必要で、脳腫瘍や脳動脈瘤などの脳の病気が背景にある可能性がある。その場合は目の検査だけでなく、MRI検査や血液検査も行われる。
◇治療法の選択肢
治療は主に以下の3つのアプローチから検討される。
専用眼鏡の着用(症状が軽い場合、光の向きを補正)
注射薬の使用(目の筋肉を一時的に緩め、数か月間効果が期待される)
手術(視線のずれが大きい場合、目の位置を調整)
ただし、対症療法では完治は見込めず、複視や外見上の悩みが深い場合は手術を含めた検討が推奨される。
◇スマホの影響は?
近年、子どもの急性内斜視が社会問題となっている。スマートフォンの見すぎが影響している可能性があるとして、日本弱視斜視学会などは昨年、画面から30センチ以上離すなどの提言を発表した。
しかし、レセプト情報を使った研究では、新たに診断された患者は2014年から19年までに約13%増えたものの、同期間にスマホの保有者は約30%増加していることから、影響は限定的だとされている。専門家は「スマホの見すぎが内斜視の発症を誘発する可能性はあるが、使い方を工夫して上手に付き合っていくことが大切」と話している。
斜視は早期発見と適切な対応が鍵となる。気になる症状がある場合は、ためらわずに眼科を受診したい。
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